2019.11.19
もしあなたが、
住宅ローンに対する知識がほとんどない状態で、
一見客として銀行の窓口に行ったら、
確実に銀行側がすすめてくる住宅ローンは、
固定期間選択型の商品でしょう。
3年固定、5年固定、10年固定という風に、
当初一定期間のみ金利が固定された商品ですね。
この商品は、
名前の中に固定という文字はあるものの、
借入期間中ずっと固定というわけではなく、
3年、5年、10年といった当初の期間満了後には、
その時点の金利で、もう一度固定期間選択型にするか?
あるいは変動金利型に切り替えるか?
を選択するようになります。
つまり、いずれにしても、
固定期間終了後には返済額が
変わる可能性が高い商品というわけなんですよね。
それゆえ、銀行側がすすめてくれたからと
安易にその商品を選択するのではなく、
本来は、将来的な金利上昇リスクをも理解した上で、
選ぶようにすべきなんですよね。
こんにちは!
SIMPLE NOTE 高崎スタジオを運営しております、
株式会社ウッドプランの中村伸司です。
では、今回は、
この固定期間選択型について
詳しくお伝えしていきたいと思います。
まず、この固定期間選択型商品は、
変動型商品の仲間なのですが、
変動型と違うことの1つに、
金利上昇時の返済額アップに天井がないということがあります。
前回お伝えさせていただいたように、
変動型であれば、
増額率を25%までに抑えるというルールがあるのですが、
基本的に、この固定期間選択型には、
そのルールがありません。
それゆえ、未払い利息の発生リスクはないものの、
その反面、総額率が30%、40%になる可能性があったりします。
もし、当初固定期間中80,000円だった返済が、
見直し時に40%上がってしまうとしたら、
80,000円×1.4=112,000円まで、
一気に返済額が上がってしまうということですね。
また、この商品の多くが、
当初の期間中だけ
金利の引き下げ幅が大きくなっているのに対し、
逆に、金利見直し後は、
金利の優遇幅が縮小されるようになっています。
例を挙げるとこんな感じです。
店頭表示金利:2.95%
当初3年間貸出金利:0.505%
(店頭表示金利より2.445%金利が低い)
↓(3年後)
店頭表示金利:2.95%
金利優遇幅:1.85%
4年目からの貸出金利:1.1%(2.95%ー1.85%)
といった感じですね。
つまり、市場の金利が全く上がってなかったとしても、
無条件で金利が0.6%上がってしまうというわけです。
これだけでも、手痛い返済額アップになるのに、
さらに市場の金利まで上がってしまったとしたら?
もし、店頭標準金利が、
2.95%から3.95%となれば、
3年経過後の貸出金利は2.1%になってしまうし、
4.95%になってしまったとしたら、
3年経過後の貸出金利は3.1%にもなってしまう・・・
というわけなのですが、
これらを実際の数字に当てはめてみると、
以下のような結果になります。
借入3000万円、35年元利均等払い、ボーナスなし、
当初3年間の金利0.505%で試算
この場合、当初3年間の毎月の返済額は、
77,875円となるのですが、
3年後は、もし金利が全く上がってなかったとしても、
適用金利が1.1%となるため、
返済額は85,388円となり、
返済額の上昇率が9.6%ということになります。
では、もし金利が1%上がってしまったとしたら?
この場合、3年経過後の適用金利は2.1%となり、
返済額は98,874円となります。
返済額の上昇率は27%ですね。
続いて、もし金利が2%上がってしまったとしたら?
この場合、3年経過後の適用金利は3.1%となり、
返済額は113,530円となります。
返済額の上昇率は、なんと!?45.8%です・・・
いかがですか?
いやいや、そんなに金利が上がるはずはないでしょー
多くの方が、そう思われるかもしれません。
しかし、全てのことがそうですが、
絶対なんて言葉は存在しません。
それゆえ、変動型の住宅ローンを選択する場合には、
このようなリスクをも理解した上で
選ぶようにする必要があるんですよね。
後から気が付いて、
取り返しがつかない状況にならないようにするためにも、
正しい知識を身につけた上で住宅ローン選びを行い、
また、無理のない資金計画を
行うようにしていただければと思います。
それでは、、、
シンプルノート高崎スタジオ
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